ハサミ職人の仕事を見てきた
職人は道具にこだわる
僕は自分のことを美容師であり、職人だと思っています。
そんな僕は美容師に限らず、職人の仕事を見るのが大好きなのです。
というわけで・・・
閑静な住宅街の中にあるハサミ工場に見学に行ってきました。
普段研いでもらっているハサミたち・・・
みなさん美容師のハサミって本当にピンキリなのをご存知ですか?
安物のハサミを使っていると髪は痛みます。
枝毛が増えます!
良いハサミを使っているとダメージは確実に減ります。
(下手な人がカットすると良いはハサミでも痛みますが・・・)
良いハサミでカットしてもらうようになってから
だんだん枝毛が減ってきたなんて話はお客様からたまに聞きます。
スキバサミは特に差が出ます!
良いものは「抜けが良い」のでキューティクルを傷めたり、引っかかるような不快感がなくなります。
安物だとラインを馴染ませようとして滑らせるように切ると髪が傷んでしまいます。
仕事の効率も悪くなります。
ただ切れ味が良ければ良いということではない
素人からすると切れ味が良ければそれで良いというふうに思うかもしれませんが、実はそうではありません。
鋭く切れる方が良い場合もあれば、適度に髪が刃から逃れることで逆に良いこともあります。
スライドカットと言って少し逃がしながらカットするときは通常のハサミでカットしてしまうとハサミが毛をとらえすぎて逆に髪が傷んでしまうのです。
ギギギーってなるやつですね。
カットされてる方も痛いです。
カットの断面から白い粉が出てきたりして・・・・
(キューティクルが剥がれてしまっています)
スライドカットは痛むという人がいますが、道具が悪いことが実際は多いです。
「抜け」が良いハサミを使うとそういったことがなくなります。
スライドカットやストロークカットをするときにうまく髪が逃げてくれるのでキューティクルを剥がしてしまったり、毛がつれて痛いということがほとんどなくなります。
職人による微調整
どんな用途に使うかによって僕らはハサミを変えます。
そしてハサミの研磨職人は使う用途によって一番適した切れ味に仕上げてくれるのです。
ハサミの切れ味は研ぎ方次第で変わります。
そして、誰が研ぐかでも変わってしまうのです。
だから僕のハサミを研いでくれる人はいつも同じ人にお願いしてます。
そして研ぎ終わった後必ず、試し切りをします。
切れ味が気に入らないこともあるからということで必ず切らしてくれるのです。
気に入らないとその場で調整してくれます。
ハサミを研いでもらうとき、僕は細かく注文します。
通常のハサミであれば
手に当たった感触が鋭すぎるのでもっと刃先を丸く研いで欲しい。
刃先の切れ味をもう少し鋭くしてほしいなど・・・
スライドカット用のハサミだったら
もう少し、逃げるように研いでほしいとか・・・
スキバサミだったら
もう少し抜けが良くなるように研いで欲しいとか・・・
とにかく細かく注文をつけます。
職人さんは一つ一つ丁寧に要望に答えてくれ、ハサミを最高の状態に導いてくれます。
職人の仕事はとにかくカッコ良い!
本当は研磨職人の工房を写真で乗せたかったのですが、使っている機械や工程などが知られてしまうと支障があるのではないか?
ということで今回は工房内の写真は載せないでおきます。
文章だけだと伝わりにくいと思うのですが、やっぱり職人の仕事は見ていて気持ちが良いです。
無駄のない動きで素早く仕上げていく様は本当にかっこいい!
工場を見学してきて一つ一つ職人が手作業で作っている工程を見て、僕は感動しました。
良い職人の仕事というのは
動きに無駄がない
洗練された動きで一つ一つ確実にこなす。
職人は背中で語る
なんて言いますが、とにかく後ろ姿がかっこよかったです。
良い仕事は仕上がりが素晴らしいのはもちろん、見ているものを惚れ惚れとさせます。
ハサミの魅力を語る職人
職人さんと話していて思ったのはこの人は本当にハサミが大好きなんだなということです。
ハサミについて語るときは本当に楽しそうでした。
僕もまだまだ知らなかった魅力についてたくさんお話を聞けました。
こういう人が良いものを作るんだなと思います。
ハサミを新たに新調しました
もっと効率の良い仕事を・・・
もっとクオリティの高い仕事を・・・
とにかく良いものをお客様に提供したい!
そんな思いで
道具だけでなく、技術もさらに高める努力を日々行っています。
僕のカット技術はどんどん進化しています!
一歩一歩さらなる高みへと目指していきたいと思います。