グレイカラーとファッションカラーの違い
美容室では
白髪染めのことをグレーカラー
おしゃれ染めのことをファッションカラー
というように使い分けて使用しています。
今日はそんなグレーカラーとファッションカラーの違いについてお話ししたいと思います。
グレーカラーとは?
いわゆる白髪染めのことです。
ナチュラルブラウン、アッシュブラウン、マットブラウン…
というようにどんな色味にも
白髪を染めるために濃いブラウンの色素が入っています。
メリットとしては
- 色持ちが非常に良い
- 白髪をカバーできる
というのがあります。
デメリットとしては
- 暗い色で染めると色がなかなか抜けなくなる
- 薬剤のパワーが強い
- 赤みが出やすい
というのがあります。
色持ちは良いが…
色持ちが良いというのはメリットでもあり、デメリットでもあります。
6Lv以下で染めれば色持ちは良くなりますが、
逆に言えば、なかなか自然に褪色してくれないので
もし明るくしたくなった場合、一度脱染剤で色素を抜く必要があります。
また、最初から明るく染めようとする場合は注意が必要です。
明るく染めようとすればするほど白髪の染まりは悪くなるからです。
白髪率が高い方が美容室でなるべく暗い色6Lv以下をオススメされるのはそう言った理由があります。
薬剤のパワーが強い
ファッションカラーとグレーカラーはどちらがダメージするのか?
と問われれば、確実にグレーカラーの方が傷みます。
白髪は薬剤を弾きやすく、染まりにくいので
グレーカラーには白髪を染めるための染料がより多く配合されています。
薬剤のパワーが強くなればそれだけ髪に負担もかかるので
白髪を染める必要がない場合はあまり使うことがないと言えます。
赤みが出やすい
ブラウンの性質上、赤みが出やすくなるのが特徴です。
アッシュ系(寒色系)のカラーにしたい場合、普通の白髪染めだと難しくなります。
白髪をカバーできないからです。
最近では寒色系のブラウンを使った白髪染めができるカラー剤も出ております。
白髪染めの赤みが嫌だった方には良いかもしれませんが、本来の白髪染めのメリットである色持ちの良さが失われることがわかっています。
サロンではメリットとデメリット両方を考慮して選択させていただいております。
ファッションカラーとは?
いわゆるおしゃれ染めのことです。
どこの美容室でも基本的に白髪がなければこちらで染めるのが普通です。
アッシュ(青)、マット(緑)やピンクのような鮮やかなカラーを楽しめるのが特徴です。
もちろんファッションカラーにもブラウンはありますが
グレーカラーと違って染料はそこまで濃くないので白髪は染まりません。
メリットとしては
- 鮮やかな色味を出すことができる
- かなり明るくすることもできる
- 赤みを消した外国人風カラーができる
というのがあります。
デメリットとしては
- 色持ちが悪い(白髪染めと比べると)
- 白髪は染まらない
というのがあります。
鮮やかな髪色にできる
綺麗な色味にするということを重視するならファッションカラーです。
流行の外国人風カラーのように透明感のある色を作りたければ
日本人特有の赤みがあるブラウンが邪魔なので
自毛のメラニン色素を脱色しながら鮮やかな色味をファッションカラーで入れていきます。
こういった透明感のある色味は白髪染めだと難しいです。
色持ちは良くない…
おしゃれ染めの色の持ちはおよそ1か月から2か月程度で抜けるように設計されています。
全く色が抜けない作りにしてしまうとカラーチェンジができなくなってしまうのです。
(例えば、アッシュ系から真逆のピンク系にするとか…)
色の持ちが悪いというのは実はこれが原因でもあります。
グレーカラーとファッションカラーの違いを検証
同じメーカーの薬剤でも
グレーカラーのブラウンとファッションカラーのブラウンでは色味が異なります。
どのくらい違いがあるのでしょうか?
そこでまず白髪の毛束とブリーチ毛の毛束を2本ずつ用意しました。
白髪の毛束
ブリーチ毛の毛束
今回は同じメーカーの同じシリーズの
- ファッションカラーのNB6Lv
- グレーカラーのNB6Lv
を使用して色味の違いを検証したいと思います。
白髪を染めた時の違い
まず白髪の毛束に染めてみました↓
左がファッションカラーで染めた毛束、右がグレーカラーで染めた毛束です。
同じ6レベルの明度のナチュラルブラウンを使用していますが
ファッションカラーのNBで染めた毛束は白髪が染まりきっておらず、白浮きしてしまっています。
グレーカラーのNBだと白髪しっかり染まっています。
白髪を染めるには染料の濃さが必要なことがわかります。
ブリーチ毛に染めた時の違い
次はブリーチ毛の毛束に染めてみました。
左がファッションカラーで染めた毛束、右がグレーカラーで染めた毛束です。
ファッションカラーのNBだとブラウンに染まりましたが、
グレーカラーのNBだと黒くなってしまっています。
同じ6レベルのナチュラルブラウンでもブリーチ毛を染めると
ファッションカラーとグレーカラーではここまで色味の差が出るのです。
白髪は薬剤を弾きやすく、染まりにくいわけですが…
ダメージしている既染毛は薬剤を吸い込みやすく、染まりやすい特徴があります。
ヘアカラーを繰り返して明るくなってしまっている毛先に
グレーカラーのような染料が濃い薬剤を使ってしまうと
このように色がかなり暗くなってしまうのです。
まとめ
今日は白髪染めとおしゃれ染めの違いについてまとめてみました。
まとめると一番の違いは染料(ブラウン)の濃さです。
グレーカラーには
白髪を染めるためのブラウンが高配合されていて
色持ちは良いがカラーチェンジがしにくい
というのが特徴です。
ファッションカラーは
アッシュ(青)やピンクのような鮮やかな色味だけを入れることができ
色持ちは悪いがカラーチェンジがしやすい
というのが特徴です。
また、検証でわかったように
ファッションカラーにもブラウンという色味はありますが、
グレーカラーのブラウンと比べると
色素がそこまで濃く入らず、白髪は染まりません。
このような両方のメリットとデメリットを考慮してカラーは調合させていただいております。
なるべく傷ませないよう計画的なヘアカラーをご提案させていただいておりますので、
ヘアカラーでお悩みの方は是非おまかせください。
以上、白髪染めとおしゃれ染めの違いでした。